Arai Astro GXの話 2

前回の続きです。

(上の写真は、シールドを標準のものから、VAS-V ProShadeの変更しています。)

ネット等では、デザインが古いとか、ダサいとか言われていますが、確かにアライと言えばこの丸っこいR75シェイプという今では唯我独尊ともいうべき帽体のデザインです。ライバルであるショウエイとかはもとよりHJCとかSINPSONとかも比較的空力を意識したデザインのものが増えています。が、アライのヘルメットは頑なにこのまぁるい帽体のデザインです。
大昔のイメージでいえば、ガチなアライ、お洒落デザインのショウエイとか。そんなイメージで、ショウエイってどちらかというと、アライに比べてセカンドベストといったポジションだったような気がします。しかし、量販店のスタッフに聞くところによると、現在では圧倒的とまでは言えないまでも、はるかにショウエイの方が売れているそうです。なんなら、売り上げではOGKにも肉薄されているということ。「売り上げでは」ということは、出荷数で言えばすでにOGKの方が売れているという事かもしれません。
昔からのアライ信者からすれば、なんでこうなった?という事なんですが、量販店スタッフのおにーさんが面白いことをおしゃってました。いわく、アライの考え方って、もしも事故ったら…という前提での製品づくり。つまり、事故った時にいかにライダーへのダメージを減らすか?というコンセプトなので、まるっこいデザインだったり、できるだけ突起物は簡単に外れるようにとか、帽体正面に穴をあける事による強度低下とか…といったことから、どうしてもデザイン上の制約が大きいのでは?ということ。これに対して、ショウエイの考え方は、いかに快適なものを提供するか?というコンセプトなので、デザインしかり、正面のベンチレーションだったり、デザイン的にも結構制約を受けにくいのでは?とのこと。また、一般的なライダーの立場から考えれば、万が一の事故よりも、快適なライディングを求める人が多いよね?一回事故った時のことのことを考えるより、一万時間快適なライディングが続けられた方が良いよねって考える人の方が多いのではないでしょうかねぇ?ともおっしゃってました。
なるほど!ですね。
ただ、スタッフさんはこうも言ってました。被り心地は絶対アライが良い。全体的にまんべんなくホールドするから。逆にショウエイはまんべんなくホールドはするけどもチークパッドのところがキツい。また、アライの方が頭が入りづらいってことも影響しているのかな?って。
いずれの製品も私は持っていますが、確かに、頭が入れやすいのはショウエイの方が入れやすいとは感じます。またチークパッドもショウエイの方がきつめというのも私にはその通りだと思いました。

どっちが良いとは言えない話ではあると思います。ただ、根っからのアライ派としては、正直、アライさん、もっと頑張ってよ!ってエールを送りたくはなりますね。
あと、アライさんに言いたいことは、SNELLにこだわりすぎるのはもうやめようってことでしょうか?

あと、エアフローについて
実際NETの書き込みのとおり、エアフローはかなり優秀だと思います。これまでのアライ製ヘルメットの中でもかなりいい具合のエアフローではないかと。
まず、正面のAraiマークの部分のベンチレーションが秀逸でした。これだけでもいいんじゃないかと思えるほどベンチレーションが効きます。これまでRX7-Xが最強とも云われておりましたが、RX7-Xの場合、前傾でのライポジではないとあまりエアーフローが効きづらかったのですが、Astro GXの場合、そもそも強烈な前傾ポジションを想定していないためか、直立に近い状態でもかなりベンチレーションが効きます。また、頭頂部左右の小ぶりなベンチレーションですが、正面ほどではないものの、それなりにベンチレーションが効いています。
今回のAstro GXは前作であるRAPAID NEOで寄せられたベンチレーションの改善という点においてはかなり対策してきているなと感じました。これまでのアライ製ヘルメットって、安全のためという理由で正面に大きな開口部が設けられていなかったのですが、このモデルからは正面のAraiマーク付近から正面の走行風を取り入れるように改善してきました。これまでのアライは最もレーシーなRX系のみ頭頂部中央にベンチレーションが設けられており、RX系以外のモデルは頭頂部にはベンチレーションが設けられておらず、頭頂部左右とシールド上部のブローシャッターからのみ走行風を取り入れていました。その影響もあり正面から受けた風をうまく取り入れているのだと思われます。更に、この正面部分からの風の導入により、頭頂部の左右ベンチレーションの小型化が可能になったのではないでしょうか?
もうひとつ、シールド部分のブローシャッターですが、これも以前のモデルよりも改善されているような感じがします。ブローシャッターのみを開けて、他のベンチレーショlンをすべて閉じても、頭の耳の上あたりから頭の左右に風が通るのがわかります。これは以前のモデルでは感じられなかったのですが、今回のモデルではかなり感じられるようになりました。おそらく帽体の設計は大きくは変えていないでしょうから、内装の配置や風の通る部分の最適化などが施されているのかもしれません。

Z-8と並べてみると、確かにAstro GXの方が何となく今風では無さげですねぇ。
でも、この両モデルは真っ向勝負のガチライバルではありますので、どちらを買っても後悔することはないと思われるほど良くできたモデルですね。

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