さて、AMDの新RyzenCPUですが、どのくらい早くなっているかの検証ですが、定番のCineBenchを回してみました。


Ryzen5000シリーズです。
ちょっとわかりづらいですが、multiで9805、singleで1436となりました。(写真上がmulti、下がsingle)


同じく、7700Xの結果
multiで19431、singleで1982という結果です。
5600Xは6コア12スレッド、7700Xは8コア16スレッドなので、単純な比較はできませんが、single同士であれば大体の傾向はつかめます。ここで考慮しないといけないのがまずはクロックスピードですね。
性能はまずはクロックスピードに影響されます。当然クロックが高いほど高速ということになりますので、まずはスコア/クロックで1GHzあたりのスコアを算出。
5600Xの方が、3.7GHzでの動作なので、1436÷3.7=388.1/GHzとなります。
7700Xの方が、4.5GHzでの動作なので、1982÷4.5=440.4/GHzとなります。
ということでなので、単純にアーキテクチャの変更や微細化、CPUキャッシュ増量での性能アップとして、GHzあたり13.5%程度の向上、さらに、微細化による高クロック動作による高速化として、3.7GHzから4.5GHzへのクロックアップ分として21%程度の向上ということになり、クロック向上と内部アーキテクチャの改良などとの相乗効果で結果38%程度の性能アップとなっています。
これって、実はとんでもなくすごいことで、これまでAMDや、INTELなどでも少しずつ改良は施されていましたが、ここまでの性能アップってなかなか達成できなかったと思うのです。今回の場合、AMDは事前告知のとおり、AM4プラットフォームからAM5に変更となりましたが、メモリの変更、DDR4からDDR5への変更ですね?これが結構効いたんじゃないかと思っています。
次に、3DMarkベンチのCPUベンチ


これまた、マルチの部分は無視していただいて、1コアのテスト結果を見てみますと、
5600Xが907、7700Xが1107となっています。スコアが200アップしてますが、やはり20%程度の性能アップとなっています。特に注意したいのが、7700Xのクロックですがほぼ5.4GHzで張付いています。5000シリーズではここまで高クロックを維持しようと思うと、かなり強力な冷却が要求されます。このベンチに関しては5600Xのクロックが4.2GHz程度で頭打ちになっていましたので、これを基準に考えると、クロック数での20%アップという点がゲームに関しては効いてくるということが改めて良くわかります。スコアを見るかぎり、クロックスピードのアップ分が主にスコアアップ分となっているため、アーキテクチャの改良とかキャッシュの増量とかよりも、とにかくクロックアップという事が、ことゲームに関しては一番有効なのではないかと思い知らされますね。
この結果を見る限り、ある意味、過去のINTELのNETBURSTアーキを採用したPentiumⅣなんかの方法が、ことゲームに関しては一番いい方法なのではないかと改めて思います。ゲーム特化CPUとしてならね。
ただ、そのせいでINTELは冷却問題で苦しんだわけです。その結果、名作と言われるCoreアーキを生んだのですが、ここ最近のINTELは分かりやすい性能指標として相変わらずクロックアップに相当力を入れているようですが、またまたPentiumⅣの二の舞になるんじゃなかろうかとも思うわけです。
性能がアップするのならば、ユーザーからすればどのような方法でも良いわけで…クロックアップでもアーキテクチャの改良でも、多コア化でも…
今回のAMDの新Ryzenシリーズは、総合性能という点から見れば恐ろしく素晴らしいCPUと言えると思います。ただ、ゲーム性能という点からのみ見た場合、INTELの方がわかりやすく素直なのかもしれません。しかしながら、一般的なユーザーの中でゲーム「しか」やらないというPCユーザーはどの程度いるのでしょうか?おそらく多くのユーザーはゲームもするし、オフィスソフトも使うし、ネット閲覧やネット配信もするし、いろいろなことをやるという人の方が多いのではないかと思います。そのような方にはやはり、ゲーム特化CPUよりもRyzen系CPUの方が幸せになれると思うのはわたしだけではないと思います。