話は前後しますが、新しいAM5のマザーボードについてちょっと見てみます。
かなり大幅に値上げされたマザーボードですが、細かいところを見てみます。


今回の値上げとなった原因の一つである電源回りです。チョークコイルの数ですが、CPUの右隣に8つ、CPUの上部に8つの合計16個のチョークコイルが見えます。X570の場合だと14個。なおB650だと14個、B550の上位機種で14個、ミドルクラスで10個まで数が減ります。この部分ってコストに直結しますので、まず見た目で明らかに高コスト化しています。

CPU直結のPCIeがPCIe5.0になりました。現在、PCIe5.0に対応しているSSDやグラフィックボードはSSDで一部発売開始されましたが、まだまだ一般的ではありません。近いうちに一般的にはなってくるとは思いますが、まだまだ普及するには1~2年ほどかかるかもしれません。いわば宝の持ち腐れ状態ですが、将来的なアップグレードパスと思えばあっても損はしません。ただ発熱の問題がクリアになればの話ではあると思います。
あと見た目では、PCIe16Xスロットが金属製になっています。以前から高価格帯製品には装備されていた金属スロットですが、昨今のグラフィックボードの巨大化と重くなったことからの対策です。そこまでコストアップの原因とはならないとは思いますが。

PCIe4.0スロットが追加されました。PCIe1Xスロットの直下にあるヒートシンクの裏側にはPCIeSSDスロットが2ヶ所、PCIeX2スロットの右側にはPCIe3.0、SATA共用スロットがあります。つまりM2 SSDが最大4つ装着装着できるようになりました。X570のハイエンドでは当たり前でしたが、X670のミドルクラスでもM2 SSDが4つ装着できることになります。これって結構恩恵が大きいかもしれません。3.5インチHDDや2.5インチHDDを使用しなくてもいいのですから、自作PCを組み立てる際にはケーブルレス化がはかどるようになりますね。

CPU裏面のバックプレートが取り外しできなくなりました。またバックプレート自体がスチールではなくステンレスになっています。よく見ると、バックプレート中央部や周辺部に無数のキャパシタが配置されています。これの保護もかねて取り外しできなくなったのではないかと思われます。この部分が結構コストアップになっていそうです。

あと、最近のハイエンドマザーで当たり前になっていたIOバックパネルが一体化しています。大きなコストアップにはなっていないと思われますが、この部分の取り付けってPCケースに取り付ける際、微妙にはまらなかったりするんですよね。また、素材もアルミ製からステンレス製に変わっています。見た目もステンレスの方が良さげです。
ここまで見てきましたが、見た目での一番のコストアップはMOSFETの増量ですね。特に今回の7000シリーズは、TDP170Wとこれまでよりも発熱が増加しています。そのため許容電流も相当大きくなっていると思います。大電流を流すとなると、電流の安定化が一番厳しくなりますから、MOSFETの増量で電流の安定化というところが一番大きい要因だと思われます。さらに大電流と高クロック動作となるとある意味電流以上に厳しくなるのがノイズ対策です。そのため基盤の多層化をさらに進めていると思います。カタログ等に記載はありませんが、基盤の多層化もかなり進んでいるのではと思われます。
あと、システムの入れ替えで気を付けたいところがありました。それについては次回にでも